ガイド4

浅間山は婚活の聖地!
愛が芽生えるボルケーノラブ活

荒木直美さん 近影

婚活コーディネーター・
タレント

荒木 直美さん

「地元ガイドおすすめ!浅間山・高峰高原」第4弾は、20年超で1500組以上のカップルを誕生させた婚活コーディネーター・タレントの荒木直美さんです。

婚活というと警戒する人、引いてしまう人もいるかもしれませんが、荒木さんは「結婚はしてもしなくてもいい」ときっぱり。「結婚は、愛する人と巡り合い、その延長線上にあるもの。まずは心から愛せる人を探す“ラブ活”からはじめましょう」と提唱している、一風変わった、しかし真の王道をゆく婚活コーディネーターなのです。

長崎県佐世保市で生まれ育ち、今は熊本県を拠点として活動している荒木さん。長野県は遠すぎて縁がないように思えますが……。
「私、高校卒業後に『はとバス』のガイドをやっていたんです。それで、浅間山、北アルプス、小諸懐古園など長野県の観光地は数えきれないほど行きました。だから、長野の風土はそれなりに知っているんですよ」。
縁あって、中野市でも結婚支援の仕事をしているのだそうです。

そんな荒木さんが参加者のラブ活をガイドするのが「浅間山ボルケーノラブ活」。荒木さんの婚活コーディネーターとしてのノウハウが惜しみなく投入されたこのイベントについて、お話を伺いました。

過去4回で27組のカップル成立!
驚異のペア率は“聖地”だからこそ?

2019年春に第1回目が開催された「浅間山ボルケーノラブ活」。その後、2019年秋、2020年秋、2021年春と回を重ねています。4回でなんと27組のカップルが成立。率にすると約50%ですから、かなりの実績です。
「みなさんパートナーを求めて来られているので、運営側が頑張ってこれくらいのペア率を出せないと、イベントの意味がありません」と、非常に頼もしい言葉が飛び出します。

婚活中で、なおかつ山が好き、浅間山好きな男女が応募してくるのがミソ。
「昔は結婚相手に求めるものが“三高(高学歴・高身長・高収入)”“良妻賢母”といったスペックでしたが、今のキーワードは“3D”。“誰と・どこで・どんな風に”生きていくのか。ライフスタイルで相手を選ぶ時代です」という荒木さん。相手が持っているモノや能力よりも、どんなビジョンを共有して生きていくのか? そこが、双方幸せな結婚生活のカギになるのです。
ボルケーノラブ活は、「山が好き、自然が好き、浅間山が好き」というライフスタイルに焦点を絞った婚活イベントなのです。

夜空の星

カップル成立発表後、鐘を鳴らすふたりを優しく見守る荒木さん

夜空の星

軽井沢方面から見た浅間山。たしかに、山腹にハートが浮かび上がって見える!

荒木さんの地元・熊本県が誇る阿蘇山でも「山コン」と称して婚活イベントをしています。しかし、「山では浅間山に負けます。なぜなら、山にハートが刻まれているから!(*1) まさに山コンの聖地です」と、浅間山を大絶賛。

また、山コンにふさわしいのは、風格のある山だと言います。山好きな人をひきつける強い魅力があるからです。
「山コンは成功例がまだ少ないんです。これはどんな婚活イベントにも言えることですが、ただ参加者を集めるだけではなかなか難しくて、場所の力がまず必要。そして、コーディネーターやスタッフといった人の力、ノウハウが必要です。そういう意味では浅間山ボルケーノラブ活はベストで、山コンのパイオニアになれる可能性があります」。

第1回目ではカモシカに遭遇したそうですから、浅間山の神様も応援してくれているのかもしれません。

(*1)山にハートが刻まれている=軽井沢方向から浅間山を見ると、山腹にハートが浮かんで見える。

男女別の「事前レクチャー」と
イベント中の「悩み相談」に心を砕く

「婚活界の瞬間接着剤」「歩くカップル製造機」という異名を持つ荒木さんは、男女別の事前レクチャーと、イベント中のお悩み相談にとりわけ心を砕き、参加者の不安を払拭し、背中を押してあげる手間を惜しみません。

婚活イベントの参加者は、最初は大なり小なり恥ずかしさを抱えています。そこで、せっかく来たのだから堂々と婚活してほしいと、“作戦会議”と称した男女別の事前レクチャーを重視しています。レクチャーでは「女子はサゲる、男子はアゲる」のがポイント。

冬のネイチャーツアー イメージ

雪山シーズンは、スノーシューを使って山コン。スタッフがバックアップしているので、登山初心者でも安心して参加できる

女性は「これからの人生をどうするか」という現実的かつ本質的な目線で期待値を下げ、男性は「婚活するか下山するか」腹を括らせるべく士気を上げて、「パートナーを探したい」という本日最大のテーマを見失わない“婚活モード”にギアチェンジするのが狙いです。

そしていざスタートしたら荒木さんは黒子に徹し、参加者から次々に寄せられる相談に次々と対応して、不安を和らげたり、励ましたりするのです。

「私は、最初に『○時△分に、カップルになりたいお相手の名前を書きますよ』と予告します。その時間にお相手の名前が書ける行動を促すのが私の役目。今の若い人は指示待ち族なんて言われますが、逆に言えば、『こうしてね』と言われたこと、学習したことは素直に実践しようとするので、そこは婚活に生きますよ」。

コロナ禍で見えたオンライン婚活の可能性

3回目、4回目は新型コロナウイルスの流行により、荒木さんは熊本からオンラインで参加しました。
「浅間山ボルケーノラブ活に限らず、コロナ禍でオンラインの婚活は10件ほど経験しましたが、遠隔でもできると手ごたえを感じています」。

画面越しをものともしない荒木さんのパッションもさることながら、現地スタッフの力が大きかったと言います。特にイベント中の悩み相談は、時にスタッフがノートパソコンを手に、参加者の相談を細大漏らさず拾えるように駆け回ったそうです。
その甲斐あって、ペア率は荒木さんがリアルで参加した1・2回目とほとんど変わらない約50%でした。

浅間山麓のカモシカ イメージ

オンラインでも、荒木さんの熱いエールは参加者に直送される。イラストは、熊本日日新聞にて荒木さんが連載中のコラム「婚喝百景」より

「今は、『結婚に押し込まれるのも嫌だけど、ひとりも嫌』という人が多いように感じます。でも、昔みたいに世話を焼いてくれる人がそこら中にいる時代でもない。となると、婚活のやり方は教わらないとなかなか分からないんですよね。やり方といっても単純なノウハウということではありません。誰でも、話しているうちに言葉に思いが乗ってくる瞬間があるじゃないですか。そういう瞬間が婚活で出せるように応援するということです」。

浅間山ボルケーノラブ活の素晴らしさを、改めて荒木さんに伺いました。
「山登り、山や自然が好きな人が集まっているでしょう? 好きな景色の中で婚活しているわけですよね。そうすると、『こどもが大きくなったら一緒に山登りに行きたい』というような人生観と結婚がリンクする会話が違和感なくできるんです。自然なコミュニケーションがとりやすくなるんですよね」。

荒木さんが「婚活というバスは、いつでも乗れるしいつでも降りていい」と言うように、ボルケーノラブ活でも再度参加する人もいるのだとか。(荒木さんのファンになって参加する人も!)
婚活道は結婚するまで絶対に降りられないと自分を追い込まず、まずは浅間山の雄大な自然に身も心もゆだねてラブ活してみては。浅間山ならば、心から愛せる人を自然体で探せそうです。